2025年10月28日から29日にかけて、岩手大学理工学部・銀河ホールにて「シンチレーター高度化研究会2025」が開催されました。 この研究会は、宇宙線・放射線を検出するための光る材料「シンチレーター」の性能向上について議論する、KEKの測定器開発プロジェクト(Platform A)の一環です。
このなかで、九州大学の大学院生である谷田征輝さんが「小型宇宙線検出器のための3Dプリンターを用いたシンチレータ開発」と題して発表しました。
OSECHIのような小型宇宙線検出器には、低コスト・コンパクト・自作しやすいことが求められます。 そこで、2023年からは、3Dプリンターで自分たちでシンチレーターを作る研究を進めています。
今回の発表では、まず板状の試作品を使って印刷方法(紫外線を当てる時間など)を調整し、設計通りの形をきれいに印刷できるようになったことを報告しました。 さらに、その自作シンチレーターで市販品の約60%の光量が出せることも確認しました。 この結果は、並行して調査していた大阪大学の結果とも一致します。
一方で、光量をさらに増やすための工夫や、印刷から2か月後に同じ材料で印刷を試みたところ失敗してしまった原因の解明を、今後の課題として挙げました。
なお、研究会2日目には岩手大学構内へのクマ出没があり、一部の参加者はオンラインでの参加に切り替わるというハプニングもありました。
発表情報 #
- タイトル: 小型宇宙線検出器のための3Dプリンターを用いたシンチレータ開発
- 発表者: 谷田征輝(九州大学)
- 共著者: 松隈錬、森山慶子、吉岡瑞樹(九州大学)、高見翔太、上野一樹(大阪大学)
- 研究会: シンチレーター高度化研究会2025(Platform A)、2025年10月28日〜29日、岩手大学理工学部銀河ホール
- リンク: https://kds.kek.jp/event/56769/
- 発表資料: https://kds.kek.jp/event/56769/contributions/302491/