宇宙線とは、宇宙空間から地球に降り注ぐ高エネルギーの粒子線のことです。 宇宙線は、地球の大気圏に突入すると、大気中の原子核と衝突し、二次粒子を生み出します。 その中でも、地表まで届く粒子の代表がミューオンです。
宇宙線の種類 #
一次宇宙線 #
宇宙空間を飛んでくる粒子そのもので、大気圏外で観測されます。
- 陽子(水素原子核)― 全体の約90%
- ヘリウム原子核(アルファ粒子)― 約9%
- 重元素の原子核(炭素・鉄など)― 約1%
二次宇宙線 #
一次宇宙線が、大気圏上部(高度約20km)で空気中の原子核と衝突して生まれる粒子群です。
- ミューオン ― 地表まで届く主な粒子
- パイ中間子 ― ミューオンの親粒子
- ガンマ線・電子・陽電子 ― 電磁成分
地球・地表に到達するまでの道のり #
宇宙線は宇宙空間を光速に近い速度で旅し、地球の大気圏に突入します。 地球の大気と衝突した一次宇宙線(主に陽子)は、大量の二次粒子を生み出します。 この二次粒子の中で、透過力の高いミューオンが地表まで届きます。
発見の歴史 #
1912年、ヴィクトル・ヘスは気球実験で高度が上がるほど放射線が増えることを発見しました。 これにより、放射線の一部が宇宙から降り注いでいることが明らかになり、「宇宙線」と呼ばれるようになりました。
ヘスの気球実験 #
地上では岩石・土壌から放射線が出ていると考えられていましたが、ヘスは高度5000mでも放射線量が増加することを確認し、宇宙起源の放射線の存在を証明しました。 これにより1936年ノーベル物理学賞を受賞しました。
参考文献 #
- “Victor F. Hess – Facts,” The Nobel Prize
- De Angelis, A., “Atmospheric ionization and cosmic rays: studies and measurements before 1912.” arXiv:1208.6527