ミューオンの性質 #
ミューオン(μ粒子)は電子と同じ仲間(レプトン)の素粒子です。
| 性質 | 値 |
|---|---|
| 質量 | 電子の約207倍(105.7 MeV/c²) |
| 電荷 | −1(反ミューオンは+1) |
| スピン | 1/2 |
| 平均寿命 | 約2.2マイクロ秒(静止系) |
電子よりはるかに重く、物質をほとんど素通りする高い透過力を持ちます。
なぜ地上まで届くのか #
ミューオンは大気上層(高度約15km)で生成されます。 静止系での寿命は約2.2μsなので、光速で移動しても約660mしか進めないはずです。 それでも地表まで届くのは特殊相対性理論の効果によります。
相対論的効果 #
光速に近い速度で動くミューオンにとって、時間の進み方が遅くなります(時間の遅れ)。 地上から見ると、ミューオンの寿命が数十倍に伸びて見えます。 これにより15km以上の距離を移動して地表に到達できます。
地球磁場との関係 #
東西効果 #
地球の磁場によってミューオンの親粒子(主に陽子)の軌道が曲げられます。 すると、東から来る粒子と西から来る粒子の数が非対称になります。 これを東西効果と呼びます。 宇宙線に正電荷を持つ粒子の方が多いことの証拠でもあります。
緯度効果 #
地球磁場は赤道付近で強く、低エネルギーの宇宙線をはじきます。 そのため赤道に近いほどミューオン強度が弱く、極に近いほど強くなります。