地球に降り注ぐ宇宙線の量は、いつも一定というわけではありません。 その大きな要因のひとつが、太陽の活動です。
太陽風が銀河宇宙線を遮る #
太陽からは常に太陽風(陽子や電子などの荷電粒子の流れ)が吹き出しており、太陽系全体に磁場を運んでいます。 銀河系の外からやってくる宇宙線(銀河宇宙線)は、この磁場によって一部が跳ね返され、太陽系の内側まで届きにくくなります。
太陽活動の11年周期 #
太陽の活動は、黒点の数が増減する約11年周期で強弱を繰り返しています(太陽活動周期)。 太陽活動が活発な時期(太陽風が強い時期)ほど、地球に届く銀河宇宙線の量は少なくなります。 逆に太陽活動が静かな時期は、地球に届く宇宙線の量が増える傾向があります。
フォーブッシュ減少 #
フォーブッシュ減少とは、太陽フレアやコロナ質量放出(CME)に伴って、地球に届く宇宙線の量が数日間にわたって急激に減少する現象です。 太陽表面で大規模な爆発が起こると、大量のプラズマと強い磁場が惑星間空間に放出され、それが地球付近を通過する間、銀河宇宙線を一時的に遮ります。
観測史上最大級のフォーブッシュ減少では、宇宙線の強度が数十%も低下することがあります。
身近な宇宙線観測との関係 #
OSECHIのような地上の検出器で長期間観測を続けると、太陽活動周期による緩やかな変化や、大きな太陽フレアの直後に見られる一時的な減少を捉えられる可能性があります。 宇宙天気(スペースウェザー)と呼ばれる分野では、こうした宇宙線データが太陽活動をモニタリングする手がかりのひとつにもなっています。
参考文献 #
- Potgieter, M. S., “Solar Modulation of Cosmic Rays,” Living Reviews in Solar Physics (2013). arXiv:1306.4421